自分の市場価値がわからないのは、当たり前です

「自分の市場価値」と聞かれて、はっきり答えられる人はほとんどいません。同期の年収を聞いた時も、求人票の「必須スキル」欄を見た時も、転職サイトの診断で数字が出た時も、心のどこかで「結局、自分はどれくらいなんだろう」と思ったことはありませんか。

「わからない」のは、比べる基準を持っていないからです。診断ツールが出す点数より先に、年齢の客観的な相場を知ることが最初の一歩になります。このページでは伸びしろ独自の点数やランク付けは行いません。厚生労働省の統計データと、自分で確認できることを、この記事でお伝えします。

この記事で分かること

市場価値が「わからない」のは、比べる基準がまだないからです

「市場価値」という言葉は、転職活動の中でよく使われますが、正確に説明できる人は多くありません。求人サイトの診断ページを開くと「あなたの市場価値」という表現が出てきますが、その数字が何を根拠にしているかまでは、あまり書かれていないことが多いです。

「市場価値が低い」という言葉を、「自分には価値がない」という意味で受け止めてしまうことがあります。この二つは似ているようで、実は別の話です。市場価値は、今の年齢・職種・経験年数といった条件と、転職市場の需要を掛け合わせた相対的な指標にすぎません。あなた自身の人としての価値を測るものではありません。

経験年数が浅いほど、比べる基準を自分の中に持てず、「誰かに判定してほしい」という気持ちが強くなる傾向があります。これは自然なことです。次の章から、外の基準になる公的データを確認していきます。

まず確認① 年齢の相場を、厚生労働省のデータで知る

自分の年齢でどれくらいの年収が一般的なのか、まず客観的なデータで確認します。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」から、学歴・職種を問わない全体の年間推計額をまとめると、次のようになっています。

年齢帯年間推計額
20〜24歳346.8万円
25〜29歳428.6万円
30〜34歳(参考)483.5万円

学歴計・産業計・男女計、企業規模10人以上の全体の値です。特定の職種に限定した数字ではなく、どの職種の人にも当てはめて考えられる基準になります。

転職サイトやメディアによって「平均年収」の数字が大きく異なることがあります。対象になる年齢層や、集計方法(平均値か中央値か、正社員限定かどうか)が媒体ごとに違うことが理由です。数字を確認するときは、どの調査に基づいたものかを意識しておくと、混乱しにくくなります。

営業職の方は、年齢・都道府県別のより詳しいデータをこちらにまとめています。

[年齢・都道府県別の年収データ(営業職)](/data/eigyo-nenshu-nenrei/)

ここまでの数字は、あくまで年齢という共通項目で見た平均です。同じ年齢でも、担当してきた業務の幅や成果の出し方によって、市場での評価は変わります。この「自分だけの部分」は、データだけでは出てきません。

その「データだけでは分からない部分」を一緒に整理したいときは、公式LINEで相談できます。転職するかどうかを決めていない段階でも大丈夫です。

確認② 経験を、職種の言葉に「言語化」できているか

市場価値は、経験の長さだけでなく、その経験を採用側に伝わる言葉に変換できているかによっても左右されます。次の2つの例を見比べてみてください。

NG例

「営業として3年間、法人向けの提案営業をしていました。日々の業務では、顧客対応や資料作成を担当していました。」

OK例

「法人向けの提案営業を3年間担当し、新規開拓では月平均5件のアポイントを獲得しました。既存顧客の契約更新率は、前任者より高い水準を維持しました。」

NG例とOK例を比べると、経験の中身自体はほとんど変わりません。違うのは、実績を数字や役割に置き換えて書けているかどうかです。自分の経験を振り返るときも、まずこの書き方を試してみてください。

自分ひとりで振り返ると、当たり前にやってきたことほど「わざわざ言うほどのことではない」と感じやすくなります。第三者に話しながら振り返ると、見落としていた実績に気づけることもあります。

確認③ 診断ツールを使うなら、数字の限界を知ってから

転職サイトの市場価値診断は、年齢・職種・経験年数など、いくつかの項目を入力すると、想定年収や市場価値が数値やグラフで表示される仕組みです。登録された求人データや利用者データをもとに自動算出されており、手軽にすぐ結果が分かる点が支持されています。

一方で、算出に使われる項目は限られています。担当してきた業務の幅、成果の出し方、転職市場の需要のタイミングといった要素までは反映されません。診断ツールを提供している側のメディアでも「基本的な情報のみで算出するため、精緻さに欠ける可能性がある」と説明しているケースがあります。

伸びしろ転職では、点数やランクを出す市場価値診断を作っていません。一次データを持たないまま数字で判定することは、誠実な情報提供とは言えないと考えているためです。厚生労働省の統計のような根拠のある数字と、対話で確認できることを、それぞれ別のものとして扱っています。

もう少し自分の傾向をつかんでから話したい場合は、[公式のGROWTH診断(8問)](/growth/)を先に試すこともできます。年齢や年収、今の職種などの条件を選ぶと、まず読むべき記事が分かる仕組みです。点数やランクが出るものではありません。

転職で市場価値を確認する、5つのチェックリストです

ここまでの確認①〜③を、5つの項目に落とし込みます。当てはまるかどうかを、一つずつ確かめてみてください。

チェックが埋まらない項目ほど、自分だけでは判断しづらい領域だと言えます。

20代なら、実績より「伸びしろ」で判断していい

20代前半で転職を考え始めたばかりだと、実績の少なさが気になることがあります。確認①で見た20〜24歳の年間推計額(346.8万円)は、学歴や職種を問わない全体の水準です。実績が少ない年代でも、この数字が示すとおり、市場価値はゼロというわけではありません。

採用側が20代に期待しているのは、これまでの実績の大きさよりも、入社後にどれだけ伸びる余地があるかという点であることが多いです。「経験がまだ少ないから」と感じるときこそ、今の経験と、これから何を身につけていきたいかを合わせて伝えてみる、という判断のしかたもあります。

よくある質問

Q. 市場価値の診断ツールは信用していいですか

A. 診断ツールの数字は一つの材料として使えますが、それだけで判断を決めきる必要はありません。確認③で触れたとおり、算出の仕組みには限界があるためです。

Q. 経験が浅い20代でも市場価値はありますか

A. あります。確認①で見た20〜24歳の年間推計額(346.8万円)が示すとおり、経験が少ない年代にも一定の相場が存在します。

Q. 市場価値を上げるには何をすればいいですか

A. この記事では詳しく扱っていませんが、まずは自分の実績を数字や役割に置き換えられているかを確認するところから始められます。それでも進め方に迷う場合は、キャリアアドバイザーと一緒に考えていくこともできます。

Q. 年収が低いと市場価値も低いということですか

A. 必ずしもそうとは限りません。年収は、入社した時期や会社全体の給与水準など、個人の市場価値以外の要因にも左右されます。

まとめ

市場価値は、今日ここで確定するものではありません。データを知ったうえで、自分の経験をどう活かしていくかは、これから考えていけます。

自分の市場価値は、データと対話の両方で見えてくる

年齢の平均値、診断ツールの結果は、あくまで目安です。そこにあなた自身の経験や実績を重ねて初めて、実際の市場価値に近づきます。この「重ねる」部分は、経歴を聞いてもらいながら整理すると、早く進むことが多いです。

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最終更新: 2026-09-02